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リサはそう言うと、ドラゴンの爪に手を添え爪磨きを構える。ドラゴンは、突然爪に触れるリサを警戒し、手を引っ込めようとした。
「な、何をするのだ?」
「こら! ジッとしててよ。別に痛いことするとかじゃないから安心しててよ」
「す、すまん。よろしく頼む」
それから数時間に渡って、ドラゴンの爪磨きが行われた。リサは磨き始めから気付いた。ドラゴンの爪は人間のものとは比にならない大きさであるということを。
「あー、大変だったー。てか、ウチ持ってきた分、全部使っちゃったよ」
「す、すまない。だが、これはすごいな。自分の爪とは思えないくらい輝いておる」
「でしょー? んじゃ、次はこれ! キューティクルオイル!」
「それはなんだ? もう我の爪は綺麗だぞ? そいつの役目はなんだ」
「これはねー爪に栄養を補給させてあげるやつでね、次に生えてくる爪をいい感じにしてくれるの」
「なるほど。いわゆる品質維持のようなものか」
「んー? よく分かんないけど、そんな感じ。あっ、でもどうしよう……」
「どうかしたのか?」
困った様子のリサはキューティクルオイルの容器を見つめる。
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