0人が本棚に入れています
本棚に追加
おじいちゃんの気持ち
ぼくの住んでるみどり町には吉田商店というお店がある。
吉田商店の"めだかさん"はとても優しくて、ぼくはめだかさんとおしゃべりするのがすきだ。
でも、めだかさんはネコなのに、なんで名前が「めだか」なんだろう、とぼくはずっと不思議に思っている。
「ねえ、めだかさん」
ぼくはお店の掃除をしていためだかさんに言った。
「どうしたの? 悠太くん」
「あのね、おじいちゃんにね、こないだ聞いたことがあるんだけどね」
「うん?」
めだかさんは首をかしげてぼくの方を見る。
「もしもね、おじいちゃんちの近所で野球してる子がいたとしてね、その子たちが打ったボールが飛んできて、おじいちゃんの家の窓ガラスを割っちゃったら怒る? って聞いたの」
「うん」
「そしたらおじいちゃん、怒らないって言うんだ。どうしてかなぁ?」
そう言うと、めだかさんは少し笑っていた。
「うーん。そうだなぁ。じゃあ逆に、悠太くんがおじいちゃんの立場で、自分の家の窓を壊されちゃったら怒る?」
ぼくは少しだけ『う~ん』と考えた。
最初のコメントを投稿しよう!