第六話 地上300メートルの天空ディナーはカレー

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「続いてオッズの発表です」  三人の顔写真の下に、数字が表示される。誰が成功するか、賭けが行われているらしい。オッズの数字は、当然ながら登山家がいちばん人気があった。  テーブルの向かいにいる西尾と目が合った。 「パパ……これ何? デスゲームなんて、私、聞いてないよ」  声が震えた。れっきとした犯罪ではないか。鑑賞だけでも共謀罪に問われるのでは? 「いいから黙って見てろ。めったに見られるもんじゃないぞ。この席を買うのに、どれだけ大金をはたいたと思ってるんだ」  ステージの司会者が、「では、みなさんに外の音声をお聞かせいたします」と言い、合図を出すように指をパチンを鳴らした。
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