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泡がグローブに!……
新城の顔がゆがむ。窓の外にある10センチの縁に立っている参加者にとって、手袋の吸盤が吸着力を失うことは死を意味する。
「ふひひひひ」
隣のテーブルで不気味な笑い声がした。頭の禿げあがった七十代ぐらいの痩せた老人が、リモコンを操作している。
ドローンの数は三機(三人の客にリモコンの操縦かんが渡された)だった。
攻撃対象を見つけたスズメバチのように、窓の外にドローンが集まり、三人の男たちがいる窓に、ぴゅっ、ぴゅっ、と液体洗剤を振りかけていく。
『ああっ』
スーツ姿の男が足元をすべらせ、窓の下にすっと消えていった。それは一瞬の出来事だった。
おおお、というどよめきがレストランに広がる。
「早くも一名脱落したもようです。インターフェア(妨害)成功です!」
司会者が告げると、ドローンを操作している客同士が祝福のハイタッチをする。司会の指示で、いったんドローンによる妨害が休止になる。
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