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男が手首の腕時計に目を落とした。
「3日と15時間だな」
聞いただけでめまいがしそうになる。もう三日と半日、一睡もしていない。数分程度の仮眠もとっていない。
部屋の隅から、ちくしょう、と男のうめき声がした。
裕紀はのろのろと顔を振り向けた。色白の太った男が、ハサミで自分の太ももを刺していたベージュのチノパンが裂け、赤い血がにじんでいる。
「あいつはもうヤバいな」
ひげ男――清水がつぶやいた。
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