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5日目――。
裕紀は機械的にフォークを動かしていた。大きな丸皿の上には、山盛りになったスパゲッティのナポリタンがあった。デザートはバナナだ。
他の3人の参加者も黙ってフォークを口に運んでいる。3日目までは軽口も叩き合ったが、5日目に入ると、どんどん口数が減っていた。
「……なんかパスタ見てると、仕事のことを思い出しますね。よくショーケースに弁当を品出ししてました」
ぽつりと裕紀がつぶやいた。
「コンビニのバイトだっけ?」
隣にいる清水がよどんだ目を向けてくる。目の下のクマが濃くなっている(お互いさまだが)。
「ええ、大学を出て就職に失敗して……結局、大学時代のバイトをずっと続けてたんです。深夜のシフトに入るから、俺はけっこう重宝されてました」
フランチャイズだったので、オーナーがよく廃棄弁当を恵んでくれたのがうれしかった。
「……眠らないと、妄想や幻覚を見るって、あれ本当なんですかね?」
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