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声のする方向を見ると母親の姿が消えかけてた。僕は不思議に思って母親の元へ近づくと母親はクジを残して消えてしまった。
なぜクジだけが?そう僕は思って僕は落ちているクジを拾って中身を見る。クジの中身は気にしていなかったので初めて見ることになる。
【クジについての注意事項
クジは人と交換することができますがお互い合意しなければならない。
クジを破り捨ててはならない。
クジを捨ててはいけない。
注意事項を守れない者は輪廻転生の枠から除外される。転生することが出来なくなるのでご注意ください。】
クジを読み終えると先程のクジ引きの場所にいた天使の女の人が僕の目の前に現れた。
女の人はニコニコ笑いながら右手に黒い火の玉を僕に見せつけながら話し始めた。
「あの女は輪廻転生の枠から外れました。先程、貴方の前世を調べました。前世は大変だったようですね、私の上司、まぁ神様ですがその人が貴方を幸せになるクジをプレゼントすると言っていましたよ、おめでとうございます。ここはもともと前世が様々な意味で酷かった者が集まる場所で……貴方は虐待で苦しめられたのですよね?上司は虐待を受けた子供を助けたいと仰ってましてね、次の来世は幸せになってください」
急に女の人は色々言ってきて混乱しかけたけど僕はどうやら前世よりか全然ましな生活を送ることができそうだった。
前世では毎日毎日、「神様なんている訳ない」そう自分に言い聞かせていたけれど神様はどうやら居たようで僕に最高のプレゼントを送ってくれた。
あの忌まわしき母親であった女を2度と前世に転生できないようにした事がとても嬉しい。小さな小さな復讐だけど何故か僕はスッキリすることが出来た。
「さぁ、転生のお時間です、いい来世を!」
「はい!ありがとうございました!」
来世は最高なものにしてやろう。前世のようにはならない。僕はそう強く思った。
女の人は振り返り大きな扉を作ると僕の背後に行き僕がドアの奥まで行くのを見てからドアを閉めた。
「すみません、本当は貴方のお父様からのプレゼントです、黙っていて申し訳ありません。貴方様のお父様と約束をしておりましたので……次の来世はきっといい家庭に産まれますよ」
女の人が僕になにか言ったような気がしたが僕はよく聞こえなかった。
次の転生はお父さんとお母さんが仲良しのところがいいかな…
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