クリスマスキャロルの夜

クリスマスイブの指令

　自分でも最低なことやって来たと思いますしそこは反省してるんスけど。

「そんな感じは全然ないな。この期に及んでその態度、お前ゲスだな。今日がクリスマスイブじゃなかったら、お前は特急であの世地獄行きだ」

　イブでラッキイ。やっぱりイブは神聖なものですか、天使さん。

「クリスマスキャロルって知ってるか？　小説だ。この時期必ず聞く歌の方じゃねえ」

　どっちも知らね。

「まあ知らなくてもいい。退屈だし、年末に向けてあれと似たようなことをやってみようかと仲間と決めたんだ。最悪な事ばかりしてきたような男を引っ掛けてみたが、どうもクソ過ぎて反省なんてしそうにねえな。若い奴に反省しろなんてやっぱり無理な話だよ。俺が引いたクジが『二十代』なのが良くない。一番反省しねえ年代だよ。十代の方がまだ素直に反省しそうかも」

　何でもいいけど、俺今幽霊なわけだよね。身体はあるんだから生霊か。で、何をすれば元に戻れるのよ。

「はあ～。やっぱり人選て大事だわ。まあいいや。えーと、お前、最初にお前に気が付いた奴を、幸せにしてこい」

　はい？