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6時間の授業を終えて帰る支度をして美術室へ向かった。 今日は美術部の活動はないけど、この胸にある気持ちを少しでも払いたくて。 イーゼルに何も描かれていない真っ白なキャンバスを立てかける。 真っ白 真っ白 真っ白 パレットに絵の具を出して筆でぐちゃぐちゃに混ぜる。 それを怒り任せにキャンバスに叩きつけた。 青? 赤? 緑? 紫? 訳のわからない色でさっきまで真っ白だったキャンバスが汚れていく。 そう。汚れていくんだ。 ぐちゃぐちゃにして高ぶっていた気持ちが収まり右手を下ろした。 ・・・そのとき。
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