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そんな記憶が、彼らを術使いの道へ導いた。
自分たちのような思いをする人が少しでも減るように、その思いを胸に彼らは歩み始めた。
だから今はまだ、ただただ弱い自分たちが目指すべきなのは、圧倒的な強さで物の怪に立ち向かう、そういう術使いだと思っている。
だけど・・・・・・・
今、物の怪を倒したのは一体・・・・・・いや、そもそも倒したのだろうか?
レンもイツキも、先程感じた静かに流れる不思議な感覚と目の前に広がる光景が、あの強烈な思い出とは繋がらなくて戸惑っていた。
光に包まれていたものは、その後穏やかな音色のようなものに誘われるように丸く形をなすと、レンとイツキの頭上を通り過ぎて行った。
その光景を呆気にとられるように寄り添いながら見ていたレンとイツキは、顔を見合わせる。
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