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「くそっ、全然ダメだ」
「でもダメージは受けているみたいだよ」
イツキが言うように物の怪の足元辺りは僅かにその気配が弱まっている様に感じられたものの、それは物の怪にとって大した痛手ではないようだった。
物の怪はレンたちを標的として捉えた様でじりじりと距離を詰めようとしていた。
ここまで来ると逃げるわけにはいかないと2人は再び攻撃をするため準備を進める。
しかし、物の怪の強さや怖さを目の前で見せつけられた2人は、気が焦ってしまう。
「さっきのは効果が弱かったから、今度はこっちの方がいいかもしれない」
「あぁ、そうだな、その方がいいかもな」
そうやって自分たちを落ち着かせるように会話を交わしている2人だが、物の怪は徐々に近づいてくる。
その時だった。
辺りが霧のようなものに包まれたのは。
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