白は始まりの色

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辺りの空気が一変した。 2人が想定していた衝撃を受けることはなく、反対に静寂が訪れた。 それを不思議に思い彼らがゆっくりと目を開けて見えた景色は、いつかの時に見たものとは少し様子が違っていた。 ほんの一瞬のうちに感じた熱気のようなものは陽炎のように消え失せて、温かさを感じられるような風が吹きぬける。 物の怪を包むように存在していた黒いものは霧散し、その後ろから空が明るさを取り戻していく。 得体が知れなかったはずの物の怪は、人の姿を思わせる光を纏っていた。 「何だ、これ・・・・・・」 「なんか明るくなってる・・・・・・」 2人はその時ひとつの記憶を思い出していた――――――
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