第一章 借りを返しにいきますね。

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「……閉じ込めるってことか?」 「うん。これは予想なんだけど、セーフティゾーンの外郭が城壁で囲まれてたから、外郭は既に買われてると思うんだよね……それなら、外郭のさらに外郭を買っちゃえばいいんじゃないかって」 「それは……一応聞いておくが、フィールドゾーンにも城壁を建てられるのか?」  ……考えてなかった。  そっか。  城壁を建てられないのなら、買ったところで通行制限をすることはできないのか……。 「というか、建てられたとしても、モンスターに攻撃でもされれば崩壊するんじゃないか?」  それもそうか……。 「なら、内側?」 「それが妥当だろう。あぁ、それと、ここの土地を買う理由は? 日本だけでいいんじゃないのか?」 「えっと、それは……今のうちにパイプを作っておこうかな、と」  アリスの返答にお兄ちゃんは眉を吊り上げる。  あまりいい気分ではないのだろう。 「あいつらと、か?」 「うん……アリスも長年敵対してたわけだし、あんまりいい感情は持ってないけど、こんな世界になっちゃったし、協力してでも誰かが統治しなきゃでしょ?」 「それは……そうだが」  さすがのお兄ちゃんでも乗り気にはなれないか……。  でも、やっぱり、これは譲れない。     
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