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「それはそうだね。でも、きっと出会えるって、そんな気がしてる」
「根拠は?」
「根拠はないよ。ただ、さっきも言ったけど、雪さんには人を惹きつける魅力がある。それを感じてるのはアリスだけじゃないと思うんだよね。だから、きっと、みんな集まる。それに、集まらなくても沢山の出会いがあるって……確信してる」
言い切ると、お兄ちゃんは微かに笑みを漏らした。
「なに」
「はは、いや……ちょっと外に出るだけで、妹がここまで成長するとは思わなくてね」
「む、それどういう意味っ?」
「この世界は広い。色々な出会いがあって、嬉しい思いも、辛い思いもするだろう……アリスの求める『普通』とはかけ離れた結果に終わる可能性だってなくはない」
「なんでそんな――」
「だから、好きなようにするといい」
思わず間抜けな声が漏れた。
まさか、こんなにすんなり受け入れられるとは思ってなかったから。
お兄ちゃんはアリスが思ってるよりシスコンじゃないのかもしれない。
「いいの?」
「なんだ、嫌なのか? だいたい、その調子じゃ止めたって行くんだろ?」
「あはは……」
「妹の成長が嬉しくない兄なんていないさ。その目で、好きなだけ、世界を見てくるといい。そのときお前が幸せなら、それでいい」
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