第一章 借りを返しにいきますね。

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 アリスの両手に乗るのは四つの綺麗な玉。  真紅に染まる火魔力核石。  大海を思わせる蒼翠の水魔力核石。  太陽の如き煌めきを放つ光魔力核石。 「これが魔力核石、なのか……? 一体どこで……」 「迷宮だよ。ほら、迷宮がおかしかったって話、したでしょ? その代わりって言っちゃなんだけど、こんなのが結構転がってたんだよね」  とは言っても、各属性六個ずつくらいなんだけど。  ちなみに、クリスタルのガゼボに浮かんでた一番大きな四属性の魔力核石と、中央に浮く迷宮の核の真下に納められていた光魔力核石は雪さんの手に渡った。 「ほう……ということは、本当にレベルを上げるだけ、か」 「ま、交渉とか、色々やらなきゃいけないことはあるけど、一応ね。レベル八百まで何日でいけそうかな?」 「そうだな……このペースだと、一ヶ月はかかるだろうな」  一ヶ月……。  長くはない、か。  レベルを上げて、土地を買って、交渉して、ここが落ち着くまでは動けない。  そうなると……。 「一年」 「ん?」 「一年後に日本に渡れるようにする」 「……一年もかけてて大丈夫なのか?」  まあ、そういう疑問もあるよね。  でも、多分大丈夫。     
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