第一章 借りを返しにいきますね。

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 国民が安定するまで戦力の強化。  そして、集めた資金や戦力と共に日本へ。  うんうん。  アリスにはしっかりヴィジョンが見える。  日本で困った雪さんを助けるアリス。  かっこいいじゃん!  一年後。  一年後、少しだけ借りを返しに行きますよ、雪さん。  それまで、きっと、雪さんなら、アリスの思う通りの行動に出てると、そう信じています。  と、自らの胸の内で雪さんに信頼を寄せたときだった。  特にしまうでもなく、宙に浮いたままにしていたクリスタルが光った。 「えっ!?」  驚いたのは一瞬だった。  お兄ちゃんの胸からも光が発せられていたからだ。  この、暖かい光をアリスは知っていたからだ。 「神……」  そんなつぶやきから数秒後、光は収まり、見覚えのある顔が目に映った。 「あれ……? 雪さん?」  紛うことなく、という程じゃないけど、そこには確かに雪さんとかなり似た顔立ちをした男の人がいた。  いや、人、というには余りにもその身体は小さいし、そういう目で冷静に捉えてみれば、やっぱり、そこにいるのは神で間違いないんだろう。  けど、アリスが初めに見た神とは明らかに様相が異なっていた。  じーっ、と。     
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