第一章 借りを返しにいきますね。

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 そんなことをわざわざ……? 「そりゃ、まあ、一応の配慮ってやつだ。俺だってお前らを巻き込んだことに少しの罪悪感も抱いてないわけじゃあないからな」  それならそもそもこんなことをするな、と言いたくなるが、それでもって雪さんや見月さん、様々な人達と出会えたのは事実だから、特に責め立てるような気分にはならなかった。  でも、他の人達の反応は違ったようだ。 「いや、悪かった。悪かったって……この短期間で少なくない命が散ったのは俺も知るところだ。その件に関しては……本当に申し訳ないと思っている」  それは申し訳ないで済まないことだ。  でも、言っちゃ悪いけど意外な反応……そういうことに心を傷めるタイプには見えなかったな。  というか、少なくない命って……人間同士の殺し合いってこと……?  まさか、そこら辺の魔物に負けたわけじゃないだろうし。 「これはまあ、言い訳みたいになって心苦しいが、正直、一週間しかないチュートリアル期間を大半がセーフティゾーンに篭りっきりで過ごすとは思わなかった」  ……そういうことか。  それは、もう、本当に、自殺行為と言ってもいいかもしれない。     
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