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これが彼なりのお詫びというわけだ。
「イベント名は『ゴブリン大発生』。詳しいルールは説明詳細を参照するように。じゃあ、またな。お前たちの健闘を祈っている」
経験値効率アップ。
相手はゴブリン。
これはやるしかない。
そして、やると決まれば……。
「お兄ちゃん」
「ああ」
どうせやるなら、一番だ。
このイベントでレベル八百に到達し、誰よりも多くゴブリンを倒し、一位の賞品を手土産に雪さんの元へ。
そんな決意を胸に、アリスは眠りについたのだった。
◇◆◇◆◇◆◇
白を基調とした清潔な空間。
目が痛くなるような白さではなく、柔らかく包み込むような優しい白。
そんな白々しい空間で、真っ白な天井を見上げるように仰向けに転がる神。
「はぁ……しんどい」
黒をベースに薄紫の模様が描かれた着物は乱れ、彼女の艶やかな肢体を浮きだたせていた。
(ギルドに各種施設に従業員用の睡眠空間に、セーフティゾーン、魔物のポップ、クリスタル管理……)
己に課せられた負担を考えると、先よりも深いため息が零れた。
「義務とは言え、この調子じゃ力が……。早く、慣れてもらわないと」
彼女のつぶやきに答えるものはいない。
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