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必死に叫んだ声は、もう、二人の耳には届かない。
視界が暗転したのは、間も無くのことだった。
室内を照らす朝日に、思わず目を伏せる。
なにも掴めなかった両手のひらには虚しさだけが残っていた。
随分と……懐かしい夢を見た。
「エマ……」
ぽつり、呟いた名は空に消える。
あの頃からだったかな……ジャネット家に、お父様とお母様に疑念を抱いたのは。
ジャネット家とデュラン家の仲は、もう修復不可能な域まできている。
それでも、なんとかして協力を得なければ。
お金も人も足りない。
まあ、まずはレベル上げか。
もうイベントは始まってる。
「頑張ろう」
自然と零れた台詞に押されるようにして、アリスは部屋を後にした。
****
「うっわぁ……凄いね」
「だな……」
お兄ちゃんと合流して朝食を食べ、今、早速ゴブリン討伐に来たわけなんだけど……。
眼下に広がるは千はくだらないといった数のゴブリンの群れ。
ここ以外にも大群がそこかしこに見られる。
あの神……全然反省してない。
ちなみに、迷宮で獲得した経験値効率アップの果物は既に摂取済みだ。
どのくらい効果があるのかは分からなけど、ないよりマシでしょ。
「どうする?」
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