第二章 普通の女の子に仇はいらない。

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 アリスはジスレーヌに、お兄ちゃんは【風を打ち消す者】こと、ヴェズルフェルニルのルティスに跨り、上空から作戦を思案する。 「と、聞かれてもなぁ……」 「だよねぇ……」  相手はゴブリンだ。  でも、ただのゴブリンじゃなかった。 「なにあの巨体……」  見渡す限りゴブリン。  その中の一体だけ、尋常じゃない程浮いていた。  とにかくでかい。  改めて認識すると、詳細情報が脳に送られてきた。  グレンデルゴブリン[悪魔族]Lv.3450 「レベル三千って……ちょっと引く」  レベル三千と言えば、迷宮のラスボスを思い出す。  勝てる気がしない。 「あれは無視するとしても……っと! とりあえず、こいつらをどうにかするべきじゃないかっ!?」  回避行動を取り、少し距離の離れたお兄ちゃんが大声で叫ぶ。  まあ、確かにそうだよね。  いい加減に現実逃避を止め、向き合わなければいけない。  覚悟を決めて顔を上げると、数百の羽の生えたゴブリンがアリスとお兄ちゃんを取り囲んでいた。  ヴィーヴルゴブリン[悪魔族]Lv.540  サンダーバードゴブリン[悪魔族]Lv.528  リントヴルムゴブリン[悪魔族]Lv.372  ワイバーンゴブリン[悪魔族]Lv.306  ユランゴブリン[悪魔族]Lv.265  元々違う魔物だったのだろう。  それぞれ特徴がある。     
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