第二章 普通の女の子に仇はいらない。

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 驚くアリスにジスレーヌがくすくすと笑う。  なにがおかしい……。 「アリスの助力があれば勝てるかもしれないな。それに、怖がってばかりではなにも進まないだろう? それはアリスがよく分かっていることのはずだ」 「うう……分かった」  渋々頷き、アリスの武器であるクロスボウを構え直す。 「それで……どうするの?」 「とりあえず掴まっててくれ」  ジスレーヌの言葉に従い、肩にぎゅっとしがみつく。  と、一瞬の浮遊感に目を瞑り、再び開けるとジスレーヌは鷲の姿に戻っていた。 「戻っちゃうの?」 「ああ、あの木偶の坊の姿では少々分が悪いのでな」 「……どう分が悪いのかがアリスにはよく分からないんだけど、これはアリスがバカだからじゃないよね?」  そう尋ねると、ジスレーヌはまたもや可笑しそうに笑った。  悔しい……。 「違う。アリスは頭のいい子だ。分からないのは、ただ、経験が足りないだけだろう。二ヶ月戦い抜き、そのうち一ヶ月を迷宮で過ごしたとて、十幾年のただの少女だった期間がなくなるわけではないからな」  それは……そうだろうけど。  でも、確かに、少しばかりの自惚れはあったかもしれない。  いくら戦いに身を投じてたとしても、それはたった二ヶ月の期間に過ぎない。     
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