第二章 普通の女の子に仇はいらない。

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 ジスレーヌから見れば、やっと武器の扱いを覚えた程度のレベルなんだろう。 「……頑張る」 「そうだな、頑張ろう。この世界で戦いに身を置いたまま十年も生き残れば、もうそのときにはアリスは戦闘のプロフェッショナルと言っても過言ではなくなっているだろう」  戦闘のプロフェッショナルって……アリスはこれでも女の子なんだけど……。  まあ、でも、雪さんの側にいると決めた以上、戦いは避けられないか。  ていうか。 「それは言い過ぎな気もするけど……」 「いや、そんなことはない。なにせ私が見込んだ子だ」  真面目な顔でそんなことを言い出すジスレーヌに思わず笑みが零れた。 「それじゃあ、ジスレーヌに恥をかかせないように、強くならないとね! ん、結局なんで分が悪いの?」 「だな。ああ、あのゴブリンをよく見てみてくれ」  言われた通り、じっとグレンデルゴブリンを見つめる。  どことなく、猿っぽい……ゴリラかな? 「あれは恐らく、元々大猿系の魔物だ。あのレベル、勝手に動く私の足を避けて生き残っていることを考えれば、身のこなしも軽いと思っていい」 「へぇ……。あ、ていうことは、避けられて足を登られる可能性が高いってこと?」     
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