第二章 普通の女の子に仇はいらない。

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「だいたいそんなところだな。肩にアリスが乗っているし、それ以前にあの巨体では少々動きずらい。それに、だ」 「それに?」 「結構な腕力もありそうだからな。あのままでは格好の良い的だろう」 「そっか……」  図体がでかいだけじゃ勝てないってのは、そういうことだったか。 「でも、それなら、同じくらいか一回りか二回りくらい大きい体格になれば良かったんじゃないの?」 「いや、それだと、こちらがレベルで負けている以上、勝てる見込みは薄いと言っていいだろう。レベルが全てではないが、判断材料としては分かりやすい目安だからな」 「へぇ……」 「では、行くぞ」  すうっと、グレンデルゴブリン目掛けて降下していく。 「ちょ、ちょっと待った! アリスはなにをすればいいの!?」 「狙撃だ! 任せた!」 「えっ!? アリスにこんな風の中で狙撃が出来るほどの腕はないよ!?」 「ただ狙って打つだけでいい。あとは私がなんとかする」 「……わ、わかった!」  グレンデルゴブリンの周囲を飛び回るジスレーヌ。  思えば、ジスレーヌと二人で戦うのは、これが初めてかもしれない。  今までは、二手に分かれて経験値の効率アップを狙ってたから。 「……よし」  相手は巨躯。  これならアリスでも当てられるかもしれない。  クロスボウを構え、出来る限り照準を合わせる。  集中。     
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