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残った高レベルの元へ近づき、クロスボウを構える。
南西から強い風。
獲物の進行方向、北。
射距離、約百。
獲物の体長、十。
狙いは目。
感覚を研ぎ澄ませ、ころころと距離の変わる狙いの定めにくいジスレーヌの上から弓を射る。
一射目――右方向に逸れて外れ。
「はぁ……」
大きく深呼吸をし、再び構え直す。
次は気持ち少し左に。
二射目――左に行き過ぎて外れ。
でも、今回は集中を途切れさせず、そのまま三射目、四射目。
どちらも外れ、間髪入れずに五射目。
――右頬を掠めた。
続けて、六、七、八、と射るが、全て外れる。
九、十射目は右頬に突き刺さった。
そして、十一射目――右目を射抜く。
喜びから思わず手をぐっと握り締める。
けど、まだ気は抜けない。
そのまま矢を射続け、二十九射目にしてようやく、左目を射抜いた。
そこからは獲物にぐんぐんと接近していき、十メートルもないところから獲物に矢を放っていく。
結局、倒した頃には使った矢は五十を優に超えていた。
レベル千百二十、ギガバグベアゴブリン。
十メートルの巨体と、鎧のように硬い毛が全身に生えているのが特徴だ。
バグベアの上位種、ギガバグベアが元の姿だと思う。
「はぁ……」
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