第二章 普通の女の子に仇はいらない。

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 本日二度目の深いため息に、相棒のジスレーヌが不思議そうに尋ねる。 「どうした? しっかり一人で倒せただろう?」 「それはそうだけどさ……時間かかり過ぎなんだよー」  正直、甘く見ていた。  一人で倒すとここまで時間がかかるなんて……。  今では初日のレベル三千瞬殺は夢だったんじゃないかとすら思える。 「最初はそういうものだ。過程を経ず強くなれる者は、所謂天才という者達だけだろう。あの迷宮に来た白髪の女なんかが良い例だな」  白髪の女って……奉日本真白、だっけか。  奉日本家は日本の三家の中じゃ、ずっと三番手だったはず。  なんであんな人が……今まで全く噂になってなかったのがおかしいくらいだ。 「やっぱり、そういうのって分かるの?」 「あぁ、一目で分かったな。本当に人間なのか疑ったくらいだ」 「そんなに!?」  いや、急に現れてボス部屋に入ったと思ったら、数分で出て来て「もう倒したから安心しな」とか言い出したときは確かにびっくりしたけど……。 「あんな大量の魔力を持った人間を私は見たことがない。到底、ただの人間とは思えないな」 「魔力……ってMPのこと?」  ずっと気になっていたことだ。  そう聞くと、ジスレーヌは興味深げな声色で言った。     
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