第二章 普通の女の子に仇はいらない。

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「ほう……MP、というのか。もしや、それも数値化されているのか?」 「うん……? ジスレーヌは自分のMPが分からないの?」 「そこまで正確には把握できない。流石にあとどのくらいで切れるかくらいは分かるがな」 「そうなんだ……」  でも、なんで……?  アリスに見えて、ジスレーヌに見えない理由。  アリスとジスレーヌの違い……魔物だから?  ううん、きっと違う。  多分――。 「私達、異界の生き物にはステータス振り分けも、HPと言ったか? それも、アビリティも、固有魔法も、攻撃力や防御力の数値表示も――ない」  それどころかレベルなんてものも元々見えなかった、と苦笑しつつも告げるジスレーヌ。  その答えは予想通りだったけど、それでも、疑問は尽きない。  わざわざ、アリス達だけにこんな数値を見せる理由は……分からない。  あの神のことだから、ゲームっぽい方が分かりやすいと思ったとか、そんなことかもしれない。 「ていうか、それはまあいいとしても、だよ。魔力が多いってどういうこと? レベル毎に皆平等に上がるんじゃないの?」 「そんなわけないだろう。元々の所有魔力や成長に応じて伸びる魔力量というものは才能によって左右される」  そうなんだ……。  レベルが全てじゃない。     
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