第二章 普通の女の子に仇はいらない。

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 ちなみに、何故アリスが一人で魔物を倒しているのかと言えば、それは、アリスの実力を上げるためだ。  まあ、本当に大きな理由は、あの風魔法の付与にはそこそこの魔力を使うため、あまり連発は出来ないとのことだった。  空を飛ぶのにも少し魔力での補助がいるから、とか。  赤い果実のおかげか、経験値アップのおかげかは分からないけど、レベルももう少しで八百に届く。  もっと、もっと、頑張らないと。  じゃなきゃ、雪さんの横には立てないから。 「いたぞ」  ジスレーヌの声に反応して、前方を見据え目を細める。  同時に集中力を高めることも忘れずに。  二回目の戦闘は、空中戦だった。 「レベル三百から八百か……」  ドラゴン型のゴブリンや鳥型のゴブリン。  地上戦と比べてやりやすいかと聞かれれば、それはどっちもどっちだと答える。  空中を舞うドラゴンや鳥は、的を定めにくい変わりにと言ってはなんだけど、大きな弱点があった。 「いけるか?」 「……うん」  空中戦において、ジスレーヌから頂戴した有難いアドバイスは三つ。  一つ、身体に吹き付ける風と一体になるイメージを持て。  二つ、対象を目で追うのではなく、風や音で把握しろ。  三つ、自分を信じて、来ると思った場所に……。  ――放て。     
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