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ちなみに、何故アリスが一人で魔物を倒しているのかと言えば、それは、アリスの実力を上げるためだ。
まあ、本当に大きな理由は、あの風魔法の付与にはそこそこの魔力を使うため、あまり連発は出来ないとのことだった。
空を飛ぶのにも少し魔力での補助がいるから、とか。
赤い果実のおかげか、経験値アップのおかげかは分からないけど、レベルももう少しで八百に届く。
もっと、もっと、頑張らないと。
じゃなきゃ、雪さんの横には立てないから。
「いたぞ」
ジスレーヌの声に反応して、前方を見据え目を細める。
同時に集中力を高めることも忘れずに。
二回目の戦闘は、空中戦だった。
「レベル三百から八百か……」
ドラゴン型のゴブリンや鳥型のゴブリン。
地上戦と比べてやりやすいかと聞かれれば、それはどっちもどっちだと答える。
空中を舞うドラゴンや鳥は、的を定めにくい変わりにと言ってはなんだけど、大きな弱点があった。
「いけるか?」
「……うん」
空中戦において、ジスレーヌから頂戴した有難いアドバイスは三つ。
一つ、身体に吹き付ける風と一体になるイメージを持て。
二つ、対象を目で追うのではなく、風や音で把握しろ。
三つ、自分を信じて、来ると思った場所に……。
――放て。
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