知ってる景色と知らない景色

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暗闇の中、街灯の灯りが照らすバス停のベンチで座っているひとりの少女を見ていた。なんとなく制服姿の彼女のことが気になって、思わず声を掛けてしまった。 「君は何が欲しい?」 「……はぁ?」 ……その反応は酷くないかい? そこまで不審者を見るような目、しないで欲しいよね。 「君は何が欲しい? って聞いたんだけど」 「誰? 何言ってんの? マジ意味わかんない」 やっぱり酷い反応。 ケータイを片手に握りしめてるのは、警察に電話しようとか考えてるわけじゃないよね? 断じて違うよね? 「クリスマスだから。サンタさん」 「キモッ」 「ひどっ」 本当に口が悪いね、この子は。 初対面だというのに怖いもの知らずというか……。
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