1ヶ月

6/6
前へ
/16ページ
次へ
男に誘った収録日。共演相手は男性人気アイドルの人と歌手といろんな人たちがいる。一番芸歴が短い僕は挨拶回りに行った。人気アイドルは同じ事務所で仲良くしてくれた兄的存在の2人組。そういえば藍さんはどことなく男と雰囲気似てるなと思いながら最後のアイドルを2人の部屋に挨拶に行った ちゃんとノックをした。いつもなら優しい言葉をかけて入れてくれるのに今日は元気が無く暗い声で中に入る許可がくれた。藍さんは明らかに雰囲気が暗い藍さんの相方に目線を送ると 「ごめん、こいつファザコンなんだよね。収録には間に合わすから悪いけど楽屋に戻ってくれる?」 と言ってきた。正直謎はさらに深まった でも、先輩の言うことだからと思いはいと言って自分の楽屋に戻った。収録の時はあの暗さが嘘のように普段の藍さんだった。でも終わってお客さんから見えないところに戻るとさっきの落ち込みモードに入った 藍さんのプロ根性がすごいとしか言いようがないがそんな藍さんが心配だった 自由に悲しめないのはどれぐらい辛いだろうと思ったからだ そのあと藍さんはすぐに帰った。大事な用事があるからと言って でも僕もすぐに帰って男と会う公園に向かった 男は雑誌を見て笑っていた。そのページには藍さんのインタビューが書かれているところでガッカリした。自分じゃないんだ。あんなに幸せそうに嬉しそうに見ていた 「ねぇ、藍さんのファンなの?」 思ったより不機嫌そうな声で言ってしまった 「うん、一番のファンだよ。売れない時からずっとファンこんなに人気になってよかった」 と嬉しそうに言ってきた。その様子が気に食わなかった 「今日、藍さんと一緒の収録だったよ。こればよかったのに」 というと困ったように笑った。僕には藍さんに対して見せた笑顔は向けてくれない。それがすごく悲しかった
/16ページ

最初のコメントを投稿しよう!

0人が本棚に入れています
本棚に追加