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「おじさん、昼間から何してるの?」
と俺は初恋の男に近寄った。男はカーディガンにワイシャツにズボンととにかく寒い格好で一目で高いとわかるほど高価なカメラを首からかけてボーとしていた。昼ごはんに買ってきただろうコンビニの袋に入っている食べ物には全く手をつけていなかった。
「んー、おじさんはひどいな。これから何をしようか考えてるんだよ」
と呑気に優しく微笑みながら言ってきた。何をしようって平日の昼間に何を言っているのだろうと思ったのは内緒だ
「ふーん、見つかりそう?」
といって隣に座ってお行儀は悪いがコンビニで買ったサンドイッチを食べる
「というか。やりたいことが沢山あって何をしようか迷ってる感じ。写真も撮りたいしのんびりここで昼寝したいし目的地もない日帰り電車旅をしてみたい。そういえば君学校は?サボりはいけないよ」
と言ってきた仕事はしないのか?と思ったが言わないけど学校って言われた時お前にだけは言われたくないと思った
「僕は仕事してたから公欠。おじさんこそ仕事は?」
というと苦笑いして
「仕事、偉いね。昨日、やめたんだ。って言っても置き手紙を置いて家から飛び出したんだけど」
と笑って言ってきた。それってやめたっていうのか?
「あ、一応仕事はひと段落ついたところだから」
と言ってきたけどそれ関係ないとおもう。
「てか家出てきたって家族とか心配してないの?」
というと悲しそうに笑い
「バツ2の独り身。寂しいアラフォーだよ、みんな仕事以外できない俺に我慢できなくなって出て言っちゃった」
と言われた。いや、どれだけ何もできないんだよと思ったけど
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