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その笑顔を見たとき本当に心から嬉しそうで嬉しくてあったかい気持ちになった
それから毎日会った。いつも写真を撮ってもらって日に日に細くなる男にモデルなってるんだから夕飯おごれと毎日のように言って男にも食べらようにした。まだ食欲があったのもあるだろうけどとりあえず昔の僕は食べさせないと男が死ぬと思ってた
「明日、ここの近くでテレビの収録があるんだ。観覧できるやつだから見てよ。僕の仕事してるところ見て?」
と言ってみた。この関係は名前をお互い知らないという気軽な関係だから穏やかでのんびりとした雰囲気だったのに気づかなくてその時は男に褒めて欲しくてマネージャーにお願いして席を取ってもらっていた
「うん、時間があったらね」
と曖昧に笑ってきた。仕事してない男が時間が沢山あるはずなのにそう言ってきたのは遠回しに行かないと言われていることがわかった
「時間なら沢山あるだろう?どうしていきたくないんだ?」
というと男は困ったように笑って
「名前を知らない関係でいたいんだ。名前を知らないからこの雰囲気で喋れているから」
と言ってきた。当時の僕はその意味がわからなかった。名前なんてお互い有名人だから知ってる、もしくはこれから名前を知る確率が高い。ピアノとかクラシックの世界に触れたことないから男のことはわからなかったけど相手が有名人だとはなんとなくわかってた
案の定その三日後男の名前を知ることになる
男はもっと早く僕の名前を知っていたのかもしれないでも意味はわからなかったけど男とこのままの関係が続けたくて僕は知らないふりをしていた
古宮 鷹斗それが男の名前でピアノで多くの人間を虜にしている男だった。音楽界はもちろんいろんな人を虜にする男だ。そしてすごいのが分かれた奥さん達は離婚理由は言い方は違うが同じ内容を言っていた
「あの人に私はふさわしくなかった。あの人にはもっと相応しい相手がいるわ。私はファンに戻わ。」
と言っていた。テレビ用かもしれないコメントだと思っていたけど今なら真実を言っていたと胸を張って言える
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