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あるところに、チャッピーという犬が居た。
茶色のミニチュアダックスだ。耳は長く、かわいいリボンを付けている。
「初めまして、皆さん。僕の名前はチャッピーです。よろしく。」
そう言うなり、チャッピーは爽やかな風の中を4足の脚で走った。
「ん?また、聞こえた。」
チャッピーには、聞こえた。誰かが、呼んでいるのを。そして、その現場に急いだ。
「痛いよー。」
1匹の兎が転んで怪我をしていた。
「大丈夫?今、治療してあげるからね。」
チャッピーは、おもむろに救急セットを取り出し、中から消毒薬を見つけ、兎の怪我をした足に数滴垂らした。さらに、包帯を、傷口を覆うようにして優しく巻いた。
「ありがとう。チャッピー。」
兎は、嬉しそうに続けた。
「チャッピーは元気だった?」
「うん。ウサッピーは大変だったね。」
「うん。でも大丈夫。もう平気だよ。」
ウサッピーはぴょんぴょん飛び跳ねた。
「あ、いた…。転んじゃった。」
「大丈夫?」
「うん。僕ドジだから。」
「そうだ。ランチにしよう。」
「いいよ。」
チャッピーとウサッピーは、ランチにすることにした。
2匹は、椅子とテーブルを用意した。そして、そのテーブルの上にサンドイッチと皿を並べた。
「いただきます。」
「いただきます。」
2匹は、森の中で楽しくランチをした。
「おいしいね。」
チャッピーは言った。
「うん。とっても。」
ウサッピーは、サンドイッチを頬張りながら答えた。
ミルクも飲んでいた。
チャッピーが上品にサンドイッチを食べている時に、ウサッピーが話し出した。
「ねぇ、チャッピー?」
「ん?」
チャッピーがサンドイッチを頬張りながら、口の周りにレタスを付けてウサッピーの方を見た。
「犬の街には、患者さんは多いの?」
「んー…、そんなには多くないよ。」
「あのね、兎の街には僕の知り合いのお婆さんがいて、その人が具合が悪いんだ。」
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