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2人でいなきゃ。
義弥の心と身体は皆んなが考えるよりも遥かに弱っていた。
日常生活を送る程の体力は無いはずなのに
ベットから身体を起こし座っていたり、
スープを飲もうとしたりしているのを見て
本当に驚いたと医師が言っていた。
「美波がいる時だけなの……」
母さんはそう呟いた。
母さんは震えていた。
「美波の好きでいいの……
美波は私の子供だから……もしも……
好きな人ができて結婚考えて……いいの…」
「母さん 何言ってるの?」
「……ゴメンなさい 美波。
あなたの自由でいいの……
でもゴメンなさい。
義弥をすてないで……。
美波、ゴメンなさい……」
母さんは泣き崩れてしまった。
そりゃそうだろう。
自分のお腹を痛めて産んだ実の子供が
小学生の時にレイプされて、自殺未遂した。
そして恋人とのすれ違いで、また……。
気丈に振る舞っていても辛いに決まってる。
「母さん、大丈夫だよ?
僕は離れないよ?
義弥という最高のパートナーと家族になれて
栞菜さんと雅さんという最高の両親を
手に入れた。
こんな幸せ僕が手放せると思う?」
「……だって……だって美波にこんな
重たい……「母さん」」
「重たいなんて言っちゃダメ。
それだけ僕たちは本気なんだよ?
それが少しすれ違っただけだよ。
母さん、心配かけてゴメンね。
義弥と僕は
2人でいて
やっと一人前にシアワセになれるんだよ。
だから大丈夫。
ちゃんとシアワセだから。」
「……美波……」
「母さん、ありがとう。
義弥と父さんが待ってるよ?行こう?」
「……美波、今回の事とは関係ないんだけど
教えてくれる?」
母さんは申し訳なさそうに聞いてきた。
「僕の分かる事であれば。」
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