61人が本棚に入れています
本棚に追加
牛丼とサラダ。
「僕のウチでご飯食べてく?」
櫻の顔が少し寂しそうだったから
「いいよ。」
と母さんに電話した。
牛丼とサラダを2つずつ買って
櫻のウチに向かった。
さっきは玄関で待ってた。
ウチみたいにゴチャゴチャしてない。
リビングに入る。
カントリー調の家具が目を惹く。
モノが少ないせいかあんまり生活感がないと思った。
「食べよ。」
「うん。」
二人で牛丼とサラダを食べた。
部活の話しで盛り上がった。
食事の後
櫻はココアを入れてくれた。
マグカップを持って
「僕の部屋に行こ?」
「うん。」
櫻の部屋に入る
やっぱり家具はカントリー調。
さすがにカーテンやベッドカバーはグリーンだった。
「櫻ってグリーンて感じじゃないよなぁ。
何かイメージ違う。」
と俺はベッドの端に腰かけた。
「どんなイメージだよ?」
櫻はまたほっぺを膨らませた。
「コレ、着てみて。今日はありがとう。
僕も同じ。」
櫻は袋を渡してきた。
中には『陸上魂』。
「いいのか?」
櫻が
頷く。
「ありがとう。」
俺はその場で『陸上魂』を着てみた。
「櫻も着てみて」
顔を真っ赤にしながら櫻は着替えた。
二人で顔を見合わせ
笑った。
「陸上魂だって」
「俺、陸上初心者だけどな」
「頑張んないとだね?」
「おおっ」
しばらく笑いあっていたら
櫻は泣いていた。
最初のコメントを投稿しよう!