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「義弥って……
義弥って何か身体……病気なの?」
僕は母さんの言ってる事を理解した。
「母さん、
コレはレイプされたからとか関係ないよ?」
母さんは頷く。
「義弥は男性機能がないよ。
中学生の時に2人で病院に行った。
精子も作られていないし男性ホルモンが少なくて陰毛も全く生えていない。
だから義弥は精子に異常に執着している。
でもちゃんと気持ち良くなることは出来るから……。
心配しないで母さん
僕は義弥の身体の事を理解してるから。」
「美波…」
「それに僕は身体に問題無いけれど
ココロが欠陥だらけだ。」
「美波」
母さんが大きな声でぼくの名前を呼ぶ。
「大丈夫。
僕の方も義弥と病院に行った。
……やっぱり僕の状態はネグレスト
葉月さんからの愛情は感じたコトはなかった。
睦月父さんは葉月さんに遠慮して…
僕はずっと独りだった。
『ヨシくん』との思い出だけが僕を支えてくれてたんだよ……。
クスリはまだ手放せない時があるけど
義弥と一緒にいると必要ないんだ。
ほら母さん
僕らは2人でいなきゃダメなんだよ?
だから
大丈夫。
行こう?」
僕は母さんの手を取り病室へ戻った。
僕が母さんの手を握っているのを見た義弥は
笑顔で手を出してきて
「美波、俺も」
そう言って甘えてくれた。
こんな愛しいヒトを
手放そうとした僕は大バカだ。
2度と離さない。
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