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ヨシミナ。
11時になっても
櫻の両親は帰って来なかった。
「櫻、ゴメンな。居てやりたいけど明日も部活だから
そろそろ帰るな。」
俺はベッドを出ようとした。
「ゴメン。
僕、なんか君の前だと気持ちコントロール出来ない。
ホントにゴメン。
僕なんかイヤだよね?」
櫻は本当に淋しそうで不安そうだった。
「おれが櫻のコト護ってやるよ?心配すんな。」
櫻の髪を撫でる。
「『ヨシ』って呼んでいい?」
「じゃあ『ミナ』って呼ぶよ?」
櫻が赤い顔で頷いた。
父親に電話して
迎えに来てもらうコトにした。
「ミナ、明日も部活の後、俺と一緒だからな?
お前は笑っとけ!
風呂入ってあったまれよ~」
父さんの到着メールで玄関を出た。
ちょっと父さんに怒られた。
留守宅にこんなに遅くまでいるんじゃないと……。
そうだよな。
ちょっと非常識だったよな。
俺が落ち込んでいると
「義弥はホント優しいな。
明日から櫻くんにウチに寄ってもらいなさい。
母さんにゴハン一人分追加って頼まないとな?」
父さんは大きな手で
俺の頭を撫でてくれた。
ミナ、ちゃんと寝れるかな……。
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