全国覇者。

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全国覇者。

「母さん おは……」 ダイニングテーブルには ミナが座って居た。 「義弥おはよう。早くゴハン食べなさい。」 ??? 「ヨシおはよう。」 照れ臭そうなミナ。 「早くしなさい。 櫻くんね夕べ遅くまで義弥の事引き止めちゃったからって ワザワザ謝りにきてくれたのよ。 早く着いちゃったってマンションの下にいたのよ~。 子供が遠慮なんてしなくていいのにねっ。」 母さんはカラカラ笑う。 つられて ミナも笑ってる。 良かった。 俺はミナの隣りに座りパンにかじりついた。 「櫻くんご両親、朝早くて夜遅いんでしょ? ゴハンどうしてるの?」 「コンビニで買ってます…」 また寂しい声になってる。 「あら~ じゃあ今日からゴハンはウチでね。」 「「えっ」」 ミナと俺の声がハモる。 「母さんありがとう。夕べ父さんにも言われたんだ。」 「悪いです。一人で……大丈夫です。」 「櫻くんは義弥の大切な友達。だから私にとっても大切。 部活やるんだからコンビニ弁当なんてダメ。 私のゴハン食べて今年も全国行ってね?」 「ありがとうございます。」 「母さん全国って?」 「あらやだ。義弥知らないの? 櫻くん、去年の100の小学生全国覇者よ?」 「えええええ~っ」 母もミナも笑ってる。 父さんが寝室から顔を覗かせ 「何だ楽しそうだな」と言っている。 俺にとって普通の朝。 ミナはきっと違うんだろう。 ちょっと瞼に腫れが残ったミナ。 それでも綺麗だ。
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