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仮入部。
今週、一年生は自由に部活見学ができる。
今日も陸上部に来てみる。
「あれ?君、昨日も少し見てってくれたよね?」
陸上部の先輩らしきヒトが声をかけてくる。
「はい。走るのって気持ち良さそうだなって思って。」
小さな声で呟く。
聞こえなかった先輩は
「何の種目やってるの?」
「いえ。俺、陸上やったことないです。
経験者じゃないとダメですか?」
先輩は慌てて両手をブンブン振り回した。
「ゴメン。全然大丈夫だよ。
何か細い感じだから長距離でもやってるのかと思ってさ。」
先輩は頭を掻きながら言った。
「自分に何が合うか分からないんですけど……」
「大丈夫だよ。やってみないと分からないからね。
だいたいのヒトは途中で種目変更しているよ?
ていうか陸上興味あるなら仮入部してくれると
嬉しいよ。」
そう言って先輩は俺の手首を持ち
顧問の先生の所に連れていった。
先輩は部長さんだった。
ちょっと必死なはずだ。
俺はにやけてしまった。
俺は顧問の齋藤先生に
仮入部をお願いした。
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