初恋

朝練。

「母さん、ただいま。
俺、陸上部に仮入部してきたよ。
何かウチの学校強いみたいだよ。」

「えっ？義弥知らなかったの？
陸上強いの有名だよ。
駅伝の全国大会、テレビ出てたし。
中総体だって何人かテレビで見るよ？
義弥、地元知らなすぎ～」

母さんはカラカラ笑って

精々頑張れって言われた。

大丈夫か俺？

気持ちいいくらいの晴天に
目覚ましの前に目が覚める。

トーストに目玉焼きを乗せ
ソースをかけてかぶりつく。
やっぱり
ソースを垂らした。

また母さんに笑われた。

７時１５分から部活開始。
一年なんだから早く行った方がいいか？

７時には着いた。

「楠木おはよう！」吉岡が嬉しそうに話しかける。

「楠木クン、頑張ろうね。」と櫻も話しかけてくれた。

「おぅ。おはよう。よろしくなぁ。」

一年生では俺が最後に登校した。

早いと思ったのに……失敗した。

部長ももう来ていて
俺たち一年に
朝、やる事を説明してくれた。

準備体操にストレッチ。
それにトラックをぐるぐる。
一体何キロ走るんだろう？

先輩たち涼しい顔して何かズルイ。
ていうか
吉岡と櫻も涼しい顔してる……。