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さて、少し、僕の話をしようか。僕の名前は、結城真冴人、大学生だ。僕は、比較的裕福な家庭に生まれた。兄弟はいなくて、一人っ子だったから、両親は僕に、何かと世話をやいてきた。正直、鬱陶しいと思っていたから、大学に進学するのを機に、上京して、一人暮らしを始めた。ちなみに故郷には、一度も帰っていない、特に寂しさも感じないし、親しい友人とかも、いないから。
僕は、昔から飽きやすくて、常に退屈していた。だが僕は、大学に入って間も無く、面白い遊びを見つけた。僕には、幼い頃から不思議な力があった、それは花言葉を現実にする力、言霊とは違い、口に出さなくても、花言葉として広く知られていれば、僕が望みさえすれば、それは現実になる。僕は、その力を使って、付き合った女性を、不幸のどん底へ、突き落としていった。彼女たちの苦しむ顔を見るのが、たまらなく快感だった。幸い僕は、けっこうモテたから、玩具に不自由することはなかった。
美咲は、僕が初めて死なせた女性だ。日に日に弱っていく彼女の顔は、本当に美しかった。女性の苦しむ顔は、本当に美しい、これほど刺激的な遊びはない。さて、次の玩具を探さないと、何の花を使おうか。
私はある日、大学で、一人の男子学生を見かけた。彼は、容姿端麗で、女性にモテそうな見た目をしていたけど、目だけはひどく冷たく、まるで、感情が無いかのようだった。
「ねえ、あの人かっこよくない?」
美希(みき)が、そう話しかけてくる。
「え?そうかなあ……」
私は、彼の雰囲気が、何となく怖かったから、そう曖昧な返事をした。
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