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「誕生日おめでとう」 そう言って、真冴人(まさと)は、美咲に一輪の花を手渡した。 「ありがとう。これは、何ていう花なの?」 「スノードロップだよ。花言葉は『希望』、僕たち二人の未来が、希望に満ちたものになるように、この花を君に贈るよ」 真冴人は、美咲にそう言い、微笑んだ。 「素敵な花ね、いつでも見えるように、リビングに飾っておくわ」 それからも毎年、真冴人は美咲の誕生日に、スノードロップを贈った。 ところがあるとき、美咲は、突然意識を失い、病院に搬送された。 病院に搬送された美咲は、一命をとりとめたが、検査をしても異常は見つからず、意識を失った原因は、不明だった。 異常がないため、数日様子を見て、問題がなければ退院することになっていたが、それからも美咲は、何度も意識を失ったため、ずっと入院していた。 美咲のもとには、家族、友人、大学のサークルの先輩や後輩など、たくさんの人が見舞いに来た。中でも真冴人は、毎日のように見舞いに来て、週に一度は、必ずスノードロップの花を持って来た。 「美咲、不安だろうけど、希望を捨てたらダメだよ」 そう言いながら、真冴人は、美咲の手をそっと握る。 「うん。ありがとう真冴人」     
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