ラッキーデイ

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 部屋の電気をつけ、そろそろ炬燵になる予定のローテーブルの上に色紙とチケットを並べ、気持ちよく大の字に寝転がり――一瞬で真顔になりすぐさま起き上がる。   (イけるのでは? 今日イけるのでは?! うん、この勢いで行ってしまおう。ダメだと思ったらすぐ帰ればいいし。よし! 行こう! 初ゲイバーに!)    前々から行きたいと思っていた場所に行くなら今日しかないだろう! と、勢いをつけて起き上がり、洗面所の鏡の前に立つ。   (服は……コートを変えて。下は……他の手持ちのも似たり寄ったりだしなぁ。眼鏡もコレと昔使ってた予備しかない……まぁ今日は下見だから! 様子見たら帰るから!)    水と使い慣れないワックスで髪型を何となく整えて、上着を普段使い用から少し値のはるものに変える。   (カバンはこれでいいか。数もってないから選びようがほぼないしな……バイト代入ったら良さげなの買おう)    自分のファッションへの意識の低さを後悔しつつ部屋を見渡すと、テーブルの上に広げたチケット類が目に入る。   (そうだ! どうせこのカバンで映画も見に行くだろうから、当たったチケット入れておこう)     紛失や破損を防ぐため、チケットを送ってきた封筒に入れ直し三つに畳んでから、カバンのサイドポケットに入れる。  最後に財布の中の残金を確認して、僕は部屋を飛び出した。
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