あなたと一緒のクリスマス

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「眼鏡!」  指の先には昼間にはなかった黒いセルフレームの眼鏡があった。言われてみればかなり存在感のある代物で、今まで気付かなかった自分に驚く。 「普段は必要ないんだけど。パソコン画面見るときに掛けてるんだ」 「へぇ。そうなの」  千葉君は「それから……」と腰を折って顔を近付けてきた。 「この方が仕事ができそうだろ?」  そう囁いてニカと口角を持ち上げた。  ――そうしないと、舐められるだろ? 俺、若いから。  近藤さんの低い声が重なった。男の人って意外とみんな打算的。 (ってすぐに近藤さんを思い出しちゃう)
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