ご来訪、ありがとうございます!

16/18
521人が本棚に入れています
本棚に追加
/18ページ
少し時間を置いて呼吸が整うと、瞬が俺に話し掛けてくる。 「タロ...気持ちよさそうだったね?」 「っ...は、い」 あれだけ乱れてそんな事ないとは言えずに認めたら、瞬があと片付けを始めた。 窓を開いて、換気をして俺の体を拭いてくれる。 「タロの中すごく良かった...食いついて離さない位のレベルで締めるから、ちぎられるかと思ったよ?」 「っ...す、すみません」 恥しくて、顔を背けたら瞬はそれ以上は聞いてこずに、ただ身体を黙々と清めてから布団を掛けてくれた。 「タロ...愛してる」 そう言って俺の髪を梳く姿は本当に王子だよな。 「俺も...愛してますよ」 「解ってる。」 そう言ってキスを交わした。 それから30分も経たないうちに、部屋がノックされてあの女性たちだろうと思ったけど、側に行く気力もなく布団に寝転んでた。 瞬が対応したけど、もうこんなに愛されてしまったら、俺は嫉妬すら忘れてまだ身体に残る倦怠感に満たされていた。 「タロ...あの子の連れが謝りに来たよ」 「ん?あー」 多少はわかってそうな子だとは一瞬思ったが、どうせ同じなのだろと思ってたけどちゃんと謝りに来たんだな。 なんて偉そうに思った所で記憶が途切れた。 いわゆる寝落ち。 朝起きて、腰の重さに苦笑いしながら起き上がれば相変わらずパンツ1枚で横に寝てた瞬の上に布団をかけて顔を洗った。 時計をみたらまだ、6時でまだまだ誰も起きないだろうと風呂場へ向かった。 誰かが入ってるのか、籠がひとつ埋まってたが、気にせずに中へと入り身体を洗い終えるとぐるりと見渡し、大きいサイズの浴槽に浸かった。 「太郎か?」 ビクっと、肩が揺れた。 聞き間違えるわけない...この声は。 「神川さん?」 「ん、早起きだな」 そう言いながら寄ってきた。 うわ、まずい!キスマークは多分付けてない...よな? 真横まで来て、神川さんが俺の背中をゆるりと撫でてぞわりと寒気がした。 「背中...よっぽど嫉妬深いんだね」 と、笑ってその手は去っていった。 ホッとしたけどまさか背中とは...いや、うん...バックだったけどさ。 「太郎の裸見てたら収まり付かなくなるから俺は先に出るね」 そう言って、神川さんは出ていってくれた。 気を付けれない場所にキスマークとは...やられた。
/18ページ

最初のコメントを投稿しよう!