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ロビーの側に店があるから、ロビーのソファーに腰掛けてジッと様子を見てたら、声をかけようと、側に女性が行くも... 鹿に夢中で気付かない。 何でだ!?あんなそばに人が居たら俺なら確実に気付くぞ? でも、俺の想像と全く違うかのように女達は瞬のそばで目配せして、ぐるぐる位置を入れ替えてから、浴衣の前を広げた。 え? なにかされるかと、俺も慌てて腰を浮かせたけど、瞬にドンとぶつかって行っただけで謝罪してて俺は首を傾げて腰を下ろした。 「やーん、ごめんなさぁぃ」 語尾が気持ち悪い、いや、そういう話し方を元々してる人なら仕方ないけどさっき二人で話してる時はもっと、豪快に笑ってたよな? とりあえず観察。 「いや、ごめん」 瞬が、謝ってるけど悪いの瞬じゃないんだけどね。 「ねぇ、宿泊のお客ですかぁ?」 と、瞬の腕に絡みついてなんか、見てるとイラッとする。 「そうだけど」 そう答えたら、絡み付いた女達は瞬の腕に...胸押し付けてますけど!? くそっ、イケメンがこんな場所でももてないわけがなかったんだ。 「ねぇ、お名前なんていうんですがぁ?私たち、お部屋遊びに行きたぁいなぁ」 大胆だな... さてと...女性達以外に客もいないし、レジのおねぇさんはアレだろうけど。 俺はスクっと立って瞬のそばに向かった。 女性が俺に気付いて何だこのちんちくりんと、言ってるかのような視線を貰いながら瞬の手の鹿を戻した。 「タロ?」 俺の名を呼んだら、二人の女性は俺も瞬の友達と認識したんだろう。 俺を見る目があからさまに変わったのは、昔から良く見たことがある。 弟をイケメンに持つ俺の気持ちは、俺にしかわからんよね。 「俺戻りますけど」 そう言って瞬を引けば、瞬も付いてくる気で居たのだろうすんなり歩き出したのに... 「待ちなさいよ!私達その人と話してる途中なんだけど!」 なんて、止めに来たから俺は溜息を吐いて瞬を見た。 どうにかしろと、強く念を込めて。 俺が話しかけられた訳でも無いしね。 そしたらもう一人の女性が、急ぎの用事かも知れないから、また会えたらお話しましょうと、もう一人を宥めてた。 とりあえずは、引いてくれるかと思ったけど、もう一人のグイグイ女性は、またもや瞬に話し掛ける。 「あのぉ、お部屋行ってもいいですよね?」 勘弁してくれないかな...
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