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俺はナンパしに来たわけでもなければ、瞬を人に見せびらかすために来た訳でも無い。 まぁ、声かけられるのかなと好奇心で見てたのは認めるけど。 「ね、お部屋行っていいですよね?」 胸を擦り付けて、性的主張してるけどこれで部屋になだれ込んでセックスでもしようもんなら、彼女気取りになるのかな? もう1人は慎ましそうな感じはあるけど、もう1人の女性を止めようとはしてない。 「ほら、あんた...部屋に案内してよ」 と、瞬に張り付いてた女が俺に命令とも取れる言葉で言ってきたから、俺は大きくため息を付いた。 「俺は“あんた”でもないし、部屋に案内するとも言ってませんよ?」 そう突っぱねたら、醜く顔が歪んだ。 こういう女性多いよな...イケメンだけに取り入りたくてフツメンの俺なんて、カス扱いだ。 「ちょっとさ、俺は部屋に一緒に行くとは言ってないし来てもいいとも言ってないよ?何勝手に話進めてんの?」 瞬が、そう口にしたら二人揃って顔を引くつかせた。 「えぇ!?お部屋に連れて行ってくれないんですか?」 そう言ってまた胸を押しつけてるのは見るに見兼ねて俺は視線を逸らした。 女に揺れるかも知れない...そんな不安はいつもある。 ましてや瞬は、元々ノーマルだし俺だって胸を押し付けられたら、やっぱり気にはなる。 けれど、瞬はフッと微笑むと俺に視線を向けた。 「俺は君達じゃ、満足しないんで、それじゃ」 そう言って、俺の腕を取ってずんずんとエレベーターへ向かってるけど結構な力で... なんか、怒ってんのかな? そう思って聞こうとしたら。 「タロが俺のだからって、俺を連れ出してくれるとおもってたのに」 と、エレベーターの中で驚く言葉が降ってきた。 「乙女か!」 思わず、うん...ほんと、思わず突っ込んだ。 「はぁ...タロはそういう激情見たいのに流されないの?」 そんな訳ない。 俺だって気持ちは荒むよ。 「俺、瞬に愛されてるの自覚してるんで...あの程度では、そこまで腹はたちません。」 俺もタロに愛されてる自覚あるんだけどなー何ていいながら、頭を掻く瞬の頬にうっかりキスしてしまった。 ほんと自然に。 そしたら、瞬に唇奪われました。 クソ、イケメンはこういう時めっちゃカッコイイから腹が立つ。
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