電車で収集できるあれ

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明日から連休だという時の電車は、帰宅時間帯の人々の表情も明るい。新幹線や空港直通列車が走る駅からは、大きなカバンを抱えた人が乗ってくる。スーツケースにやたら色々な国のステッカーを貼ってクールに窓の外を見つめる若い男性を見ては、『なんだ?俺ってカバン一つで海外を飛び回る自由人なんだぜアピールか?』と、手のひらに実が集まってくる。 ふとドアの前が騒々しくて目をやると、派手なネクタイをして色のついたメガネをした伊達男スタイルのおじさんが、大きなカバンを持った女の子をエスコートしている。いや、女の子かと思ったが、相当若いギャルのメイクやヘアスタイルをしたなかなかのおばちゃんだ。おばちゃんだがスタイルは良く、胸の飛び出したヘソ出しトップスにダメージデニムとヒールの高いサンダルを履いている。よくそのヒールの高いサンダルで大きなキャリーバッグを運んできたものだ。 無事にキャリーバッグとおばちゃんを搭載し、電車のドアは閉まった。伊達男おじさんとギャルおばちゃんは久々の再会なんだそうだ。二人してもともと声が大きいのか、久しぶりに会えた興奮からか、こちらに丸聞こえである。 おじさんは基本的におばちゃんの腰に手を置いて、至近距離からなめるように彼女の顔を見つめ、あれこれ話している。腰を基地に手は動く。久しぶりの彼女をくまなくチェックするかのように、肩、頬、頭、腰、肩と移動する。ヘソ出しをからかうようにヘソ周りを撫で、クスクス笑っている二人は、十代のカップルのようだ。 やがておじさんの手は腰から脇の下に移動し、あきらかに彼女の横乳を愛でている。おじさんここはまだ電車だから、我慢して!
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