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吉報らしく声が弾む。
「山野さんの分ですね。……今すぐに伺います……ありがとうございます!」
ぱっと輝いた顔が真千子に向いた。ズンと重い頭で見返す。
「班長、困難事案の山野トシロウ、勤め先が納めます。しかし社長の足が悪くて来れないそうで、臨場したいのですが良いでしょうか」
「良いもなにもそうするしかないでしょう」
答えて、さすがにつっけんどんすぎたか、と付け加える。「……良かったですね」
「はい。で、運転は私できるので、同乗をお願いできますか?」
無邪気に尋ねる由紀の目はさっきの険悪なやり取りなど忘れたかのように輝いている。
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