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「班長、着きました」 「あ、ああ……ごめんなさい」  ふっと一瞬意識を失った間に目的地に着いていた。プレハブみたいな建物に、広い駐車スペースが併設されている。修理中の車が何台も置いてあり、すえた油臭さが漂っていた。 「本当にここなの?」  寝てしまった気まずさを振り払い尋ねる。 「はい。ほら看板、『丸シン商会』って」  仕事だから多少の汚い場所でも躊躇はしない。しかし由紀は、そんな真千子をも置いてきぼりにする勢いで崩れ落ちそうな建物に歩いていった。場所に激しく不釣り合いな、淡い色のスカートをひるがえしながら。
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