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 事務所を出て車に向かう。作業中の男性が見慣れない二人に怪訝な視線を向けてくる。 「無事に終わりましたね。班長、ありがとうございました」 「いいえ」  他にいなかったから来ただけだ、と言おうとしたが、さすがにためらわれた。 「……良かったですね。あまりないパターンだと思います」 「本当に。いい伯父さんでラッキーでした」  由紀は笑って車のエンジンをかけた。真千子は、どうしようもない若者にだってあんなに親身になってくれる家族がいるのに果たして自分は、と思いかけてやめた。真千子にだって、婚期を逃しつつある娘に多少ため息はつきつつも、いざという時にはきっと助けてくれるであろう両親くらいはいる。
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